このポストカードセットの誕生には、ある物語がありました。
わかなちゃんという少女がいました。
彼女は、2007年の春から、ある全寮制の中高一貫校に通う予定でした。
ところが体調を崩して入院してしまい、寮の部屋に制服や荷物を残したまま、
一日も学校に通うことなく、その年の秋に息をひきとりました。
12歳でした。
ほとんどの同級生は、彼女と会話をしたことがありません。
ただ写真で顔を知っているだけでした。
けれど、翌年の彼女の命日に、同級生からわかなちゃんへの寄せ書きと写真が、
家族に届けられました。
まるで、一緒に学校生活を送っているような、
わかなちゃんがみんなを見守っているかのような、
そんな深い友情を感じる内容に、家族はとても支えられました。
同級生とわかなちゃんの家族の心の交流は、卒業までの6年間、毎年ずっと続きました。
それは生徒たち自らが考えて、行動を起こしていたことで、
学校の先生たちも、彼らの思いやりの深さと団結力に驚いていたようです。
そしてわかなちゃんには「特別卒業生」として、卒業証書が贈られることになりました。
わかなちゃんのお母様から
「卒業を迎えて、新しい世界へと羽ばたくみんなに、深い感謝の気持ちを伝えたい」
とご依頼をいただき、記念のポストカードをつくらせていただきました。
それがこの、「いつも、一緒に」の3枚です。
「わ:別れと出会いは巡り会い」
「か:輝く未来の奏者となりて」
「な :涙は心の種を育てる」
ご縁というのは、ほんとうに不思議でありがたいものです。
振り返ってみれば、偶然などひとつもなく、
すべてが必然だったのではないかと思うことばかりです。
わかなちゃんと、そして彼女の素晴らしい同級生たちに、
思いをこめて描かせていただきました。
彼らの未来が美しくありますように。
わかなちゃんのお母様と
「このポストカードが、たんぽぽの綿毛のようにいろいろな人の心に届いて、
新しい芽を出す事ができたら、わかなちゃんにとっても、素敵なことかもしれませんね」
と話しあい、 このポストカードセットが、みよコロニーのラインナップに加わることとなりました。
みなさま、どうぞよろしくお願いいたします。